ですが、仕組みは民間企業と少し違うようです。
今回は、地方の私立大学職員の給料事情について解説します。
・地方の私立大学なので、全国的に同じというわけではありません。
・私が在籍している大学と他大学の情報を織り交ぜています。
・大学によって差があるため、具体的な年収は書いていません。
大学職員の給与事情
基準は国家公務員の給与
もちろん、公務員試験はなく、大学独自の採用方法で採用されています。
ですが、給与の基準は「行政職俸給表(ー)」という国家公務員基準になっています。

なので、「本俸のお知らせ」には、あなたは「〇級〇号俸」ですと記載があります。
つまり、私立大学職員は、公務員でないのに、公務員の給与体系で支払われているということです。
公務員じゃないのに、公務員・・・?
給与の基準は「人事院」が決定している
人事院とは、国家公務員法に基づいて設置された中立・第三者機関です。
業務の一つとして、「給与等勤務条件の改定等を国会及び内閣に勧告」とあり、民間給与の実態調査を行った上で、給与や手当について内閣に勧告しています。
人事院勧告により基本給が上がり、その年の4月まで遡って差額が支給されることもあります。
でも、賞与は大学独自で決めている
人事院は「期末手当」や「勤勉手当」についても内閣に勧告をしています。
ですが、大学は「賞与」として、大学独自の基準を設けています。
人事院が内閣に勧告した「期末手当」「勤勉手当」の内容と比較すると、多くの大学では
私立大学職員>国家公務員
となるようです。
大学職員の年収が高いと言われる理由はここにあると思います。
新卒や転職で人気がでる理由も同じかもしれません。
年功序列+年俸制とその弊害
大学は年功序列
基本的に大学は年功序列で給与・役職ともに上がっていきます。
つまり、能力があっても若いと昇格できないし、能力がなくても年齢を重ねると役職が上がっていきます。
能力がない人が部長や課長になると、現場は大混乱してしまいます。
課長以上は年俸制
課長以上の役職になると、給与が年俸制になる大学があります。
つまり・・・
というものです。
役職と所得の逆転現象
課長以上が年俸制になることで、係長が残業すれば、課長以上の給与所得を得ることができるようになります。
つまり、同じ時間働いても「課長は年収800万円」で「係長は年収950万円」という状況を作り出すことができます。
年功序列+役職と所得の逆転現象で起こる弊害
係長が課長よりも給料が高くなると、経営者や人事の職員は
と思うようになります。
能力や資質があり、役職として適格だから昇格するのではなく、残業が多いから人件費を抑えるために昇格されてしまうのです。
能力や資質がないにも関わらず、残業が多いことで役職に上げられた場合、
- 給料は下がって責任は重くなるからモチベーションは上がらない
- そもそも能力があって昇進するわけではないため、部のマネジメントができない
- 自分が残業してきたから、部下に対して残業を減らせと言えない
となるわけです。
そして、次の係長も残業が多くなり・・・と負のスパイラルが始まります。
これに年功序列が加わると、現場は大混乱し、働き方改革なんて言っている場合ではなくなります。
負のスパイラルから抜け出そう
自分の人生は一度きりです。
残業して給料をたくさんもらっても、その分、自分の時間を失っていることに気づきましょう。
実は同じ考えを持っている人も組織内にいるはずです。
そのような人たちと一緒に仕事をして、生産性を高めた方が、仕事のモチベーションも上がります。
最後に
今回は、地方の私立大学職員の給与事情について紹介しました。
今後、大学職員を目指している方や転職を考えている方向けに参考になれば幸いです。