単位

大学の単位とは?履修上限(CAP制)とは?~単位がヤバいなら資格単位認定と集中講義を活用しよう~

大学生にとって、「単位」ってとても重要ですよね。
なぜなら、大学生は単位を修得しないと卒業できないことを知っているから。

でも、単位って一体何でしょう? よく大学生がTwitterで

大学生
大学生
単位落とした・・・ヤバイ・・・誰かー!

と助けを求めるツイートをしていますが、単位について理解できている大学生は少ないと思います。 そこで、今回は「単位」について解説をします。

単位って何?

単位について大学設置基準に定められている

きなこもちち
きなこもちち
大学設置基準とは、大学を設置するのに必要な最低の基準を定めた文部省の省令です。

単位については以下の通り記載があります。

(単位)

第二十一条 各授業科目の単位数は、大学において定めるものとする。

 前項の単位数を定めるに当たつては、一単位の授業科目を四十五時間の学修を必要とする内容をもつて構成することを標準とし、授業の方法に応じ、当該授業による教育効果、授業時間外に必要な学修等を考慮して、次の基準により単位数を計算するものとする。

 講義及び演習については、十五時間から三十時間までの範囲で大学が定める時間の授業をもつて一単位とする。

 実験、実習及び実技については、三十時間から四十五時間までの範囲で大学が定める時間の授業をもつて一単位とする。ただし、芸術等の分野における個人指導による実技の授業については、大学が定める時間の授業をもつて一単位とすることができる。

 一の授業科目について、講義、演習、実験、実習又は実技のうち二以上の方法の併用により行う場合については、その組み合わせに応じ、前二号に規定する基準を考慮して大学が定める時間の授業をもつて一単位とする。

 前項の規定にかかわらず、卒業論文、卒業研究、卒業制作等の授業科目については、これらの学修の成果を評価して単位を授与することが適切と認められる場合には、これらに必要な学修等を考慮して、単位数を定めることができる。

(昭四五文令二一・全改、平三文令二四・旧第二十五条繰上・一部改正、平一九文科令二二・一部改正)

大学設置基準

みたらしまま
みたらしまま
意外としっかりと決めれているのね。

きなこもちち
きなこもちち
もし、何言ってるか分からない!というかたはそのまま下に読み進んでください。解説します!

大学設置基準は1単位=45時間勉強することを想定している

上記の大学設置基準を簡単にまとめると、

きなこもちち
きなこもちち
1単位を修得するために、45時間は勉強しましょうね。

ということになります。

きなこもちち
きなこもちち
ただし、講義や演習の場合、15~30時間の大学で受ける授業+「事前事後学習」=45時間とします。(実験、実習、実技は除く)

つまり、単位を修得するためには、授業を受ける前にしっかり予習をして、授業の後には復習をすることがすることが前提条件なんです。

みたらしまま
みたらしまま
あれ・・・?遊びとバイトが忙しくて勉強する時間あったっけ・・・?

授業時間数の矛盾

多くの授業は2単位として設定してあるので、2単位=90時間となります。

90時間の内訳は・・・
大学で受ける授業時間30時間+事前事後学習60時間です。

みたらしまま
みたらしまま
私が出た大学では90分授業×15週だから22.5時間にしかならないけど?30時間に足りないけど?

ちなみに、100分授業の場合は14週なので、23.3時間。

きなこもちち
きなこもちち
30時間に足りてないじゃん!矛盾が起きてるよ!

と言いたくなりますよね。

授業時間の計算方法

実は、この「時間」とは、実際の1時間=60分という計算ではなく、単位制度上の時間として計算することになっているのです。

多くの大学では1時間=45分と定義しているので、2時間=90分と計算することができるのです。

つまり、90分(2時間)×15週=30時間となります。

みたらしまま
みたらしまま
いや、ややこし過ぎるでしょ!

きなこもちち
きなこもちち
1時間=60分という常識が覆っちゃうからね。「時間」という単位を他の単位に変えてしまえばいいと思うけど、省令がある以上、大学も勝手に変えることはできないよね。

履修上限(CAP制)と単位の実質化

おじさん
おじさん
1年生の時に遊び過ぎたから、2年生の時に60単位取ったよ。

と聞いたことがありますが、今は違います。

履修上限(CAP制)とは?

各大学・学部の履修規程により、1年間あるいは半年(2学期制の場合)で履修することができる単位数に制限がかけられています。

CAP制を導入することで、「4年生で奇跡の80単位!」など伝説を作ることはできなくなりました。

みたらしまま
みたらしまま
単位を修得できていないと4年生・・・いや、3年生の時点で留年が決定する子もいるよね

では、なぜCAP制を導入しているのでしょうか?
結論は、事前事後学習の時間が必要だからです。

1日は24時間なので事前事後学習する時間に上限がある

1週間に1回授業があり、単位を修得すると2単位が得られる場合
90時間(大学で受ける授業30時間+事前事後学習60時間)の勉強時間が必要となります。事前事後学習は60時間÷15週=4時間です。
「1時間=45分」という計算方法なので、事前学習90分+事後学習90分=180分(実質3時間)の事前事後学習が必要になります。

半期で20単位を履修した場合、事前事後学習は1週間で40時間(実質30時間)となります。
毎日、平均的に勉強したとすると30時間÷7日=約4.3時間の勉強時間を確保する必要があります。

そこで、半期20単位を履修している大学生の1日を見てみると…

起床 7:00
通学 8:00~9:00
授業(昼食含む) 9:00~14:30
通学 14:30~15:30
事前事後学習 15:30~18:30
食事・お風呂 18:30~20:00
事前事後学習 20:00~21:20
自由な時間 21:20~24:00
就寝 24:00

となります。

もし、20単位以上履修する場合は、自由な時間や睡眠時間を削って勉強する必要が出てきます。

単位の実質化ができていない

上記の大学生はアルバイトをしていませんでしたが、学生の大半はアルバイトをしており、中には複数のアルバイトを掛け持ちしている学生もいます。
また、サークル活動をしている学生も多いのではないでしょうか?

きなこもちち
きなこもちち
つまり、多くの大学生は60時間の事前事後学習をしていないと思われます。

事前事後学習をしていない学生が多いため、世の偉い人たちが

偉い人
偉い人
日本の大学生は全く勉強時間が足りていない!単位の実質化ができていない!もっと勉強しなさい!

と言っているのです。

履修上限(CAP制)以外で単位を修得する方法

資格取得による単位認定

きなこもちち
きなこもちち
大学や学部によって決められた資格を取得することで単位として認定されることがあります。

資格を取得するために、きちんと時間をかけて勉強をしたことが単位として認められるものです。
もちろん、所属する学部と全く関係ない資格を取得しても認められません。

きなこもちち
きなこもちち
どの資格が認定されるのかは、各大学・学部の履修規程に明記されていると思うので、申請する場合は内容や申請時期をチェックしておく必要があります。

夏休みや冬休みに実施される集中講義

きなこもちち
きなこもちち
あまり知られていないのですが、実は、夏休みや冬休みの集中講義はCAPに含まれません!

あくまでCAPは学期期間中のことなので、休暇期間は含まれません。
年間40単位+夏季集中講座で4単位=年間44単位を修得することもあり得ます。

きなこもちち
きなこもちち
ただし、集中講義における単位の取扱いについては大学によって違います。集中講義を希望する場合は、必ず教務課等で確認をしましょう。

資格単位認定や集中講義を活用して卒業できた学生はいる

まれに、履修上限による卒業延期が決まっていた学生が、資格単位認定や集中講義を活用して卒業にこぎつけることがあります。

ですが、オススメはしません。

きなこもちち
きなこもちち
4年生は就職活動を行う時期であるため、同時並行はかなり難しいです。

100分授業の拡大

最近、100分授業を導入し、授業期間を15週→14週に減らす大学も増えてきています。
授業期間を減らすことで

  • 学生の補講や留学機会の確保
  • 教員の研究時間の確保

ができるようになります。
もちろん、事前事後学習の考え方は90分授業と同じです。

また、授業時間だけでなく授業期間も大学によって異なります。
昔から定番のセメスター(前期・後期)の他に、クォーター制や3学期制を導入している大学があります。

最後に

今回は「単位」について詳しくまとめました。

これからTwitterで「単位落としたー!」という大学生を見かけたら、勉強時間が足りなかったんだね。と優しく見守ってあげてください。

個人的には、勉強した時間数よりも、学んだ内容が大切だと思っています。

きなこもちち
きなこもちち
あくまで法律に定めるための時間数なので、得意分野も不得意分野も同じ時間勉強すればいいというのはおかしいと思います。

みたらしまま
みたらしまま
大学は4年間しかありません。色々なことに挑戦し、学んで社会に出ていってほしいなと願っています。

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きびだんご
大学生や保護者向けに ・大学のこと ・お金のこと を中心に情報発信しています。 選択の自由を増やすために、いろいろなことに挑戦中!